花守の竜の叙事詩 / 淡路帆希
隣国エッセウーナに突如侵略されたオクトスの王女エパティークは、家族を殺され、エッセウーナに連行された。そこで彼女に与えられた役割は、エッセウーナの第二王子テオバルトとともに聖峰スブリマレに向かい、伝説の銀竜を呼び出すための生け贄となること。亡国の王女と厄介者の王子、そして道中彼らの旅の道連れとなる少女エリスの命がけの旅が始まった。
守りたいものが見つかると、強くなれるお話。
ルビーウルフの淡路さんの新作読み切りは、切ないけれどきれいな物語でした。
確かに、ルビーウルフでも明るい中に容赦のない展開があったので今回のお話読んでも驚きはしませんでしたが、ルビーウルフとは方向が170度くらい違う話なのである意味心して読む方がよいかもー。
途中陰々滅々の風が吹きすさんでいたところは読むのしんどいなぁと思ってたんですが(基本的に暗いとか辛い話がとても苦手)、エパティークがエレンを守り、そしてテオバルトが無意識のうちに二人を守り少しずつ距離が近づいていくあたりからずんずんと読む手が止まりませんでした。
銀竜の秘密や、テオバルトさんとこのお家事情あたりが明かされれはじめる終盤は予想もつかない転がり方をしてとてもびっくりしました。銀竜はともかくそっちはそーくるかーというかそんな驚き。
次の新作も楽しみです。
花守の竜の叙事詩
淡路帆希/フルーツパンチ
富士見ファンタジア文庫(2009.06)
ISBN:978-4-8291-3409-2
【bk1/amazon】
ディスカッション
コメント一覧
この作品、新刊予定にタイトルが出たときに、私の直感式センサーが思いっきり反応して、
カバーイラストとあらすじ紹介が出たときには「これは間違いない」と思ったのですが、
大当たりでした。
遠かった二人の距離が、ふとしたきっかけで縮まる瞬間が好きだったりします。
少年向けレーベルも時々こういうのが出るから油断できません(笑)。
まつもとさん、こんばんは!
私はタイトルでは反応しませんでしたが、作者さんで反応しましたです。
ルビーウルフが若干少女小説寄りだったので、この方のは買いだなぁと思っておりましたもので。
二人の距離感、いいですよね。徐々に歩み寄っていく姿がとても良かったです。
少年系はアンテナはってないのであんまりよく分からないのですが、こういうのを見逃さないためにもちゃんといろいろリサーチすることが必要と思ってしまいました。