花は後宮にあり! / 高丘しずる

本の感想, 作者名 た行高丘しずる

借金返済のために田舎からでてきて後宮に入り宮女見習いになった露露。幼なじみの初恋の少年・寒月を捜すという真の目的を果たすべく、空き時間に寒月を探す露露だが、なぜか寒月は男子禁制の後宮で死亡しており、しかもその名前を出すことは禁忌だという。落ち込む露露だが、彼女の前には死んだはずの寒月が現れて……

ガッツのある女の子の後宮サクセスストーリー?しかしラブが足りない。

後宮を舞台に繰り広げられる、田舎から出てきてそのたぐいまれな嗅覚を武器に後宮の謎に挑む女の子のお話。
初恋の君を捜しに後宮に、宮女見習い仲間の同室の女の子(というには語弊があるかもしれないがとりあえず友達)とは寄宿舎のノリで友情をはぐくみ、自身の持つ才能を遺憾なく発揮しじりじりとのし上がっていく、と物語の要素だけ抜き出したらとてもおいしくいただけそうなのですが、いろいろなんか少しずつ違うなぁと思うところがあって、それが積もり積もって最終的に若干残念な感じに。本当に、大筋はいいんですけど……。恋愛要素が若干とってつけたような感じなのが一番残念なのかもしれないけど。ラブがないのならないでのし上がって行くのかと思えば、そんな展開でもなさそうだし。どっちつかず?

あと、どうしても個人的にむむむとおもったのが、少女系ではあんまりお目にかかりたくない単語がそこはかとなく登場していたところ。うーん、単語としては普通なんだけどなんかここでは見たくなかった!というかなんというか。硬派っぽいところが高丘さんの売りなので、まあありかなぁと思わなくも無いんですが、しかし違和感を感じないほどには硬派とは感じなくて……続きはちょっと様子見かな?

花は後宮にあり!
高丘しずる/雪屋ゆきお
B’s-LOG文庫(2009.09)
ISBN:978-4-04-726014-6
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