黄金の花咲く―龍神郷― / 宮乃崎桜子

本の感想, 作者名 ま行宮乃崎桜子

朝廷から蝦夷討伐の命を受けた坂上田村麻呂は、帝から密かに彼の地に住まうという「邪神」である龍神の討伐の命も受ける。そして、その地で龍神の巫女として暮らすユーリャと出会った坂上は、どうしようもなく彼女に惹かれる。

硬派で切ないお話でした。

歴史上の超有名人物・征夷大将軍といったら(私の中では)この人の坂上田村麻呂がまさかのヒロインのお相手役の時代モノでした。妻子持ちの髭のおっさんがくるとは……いろんな意味で意表を突かれました。各所で死亡フラグが立ちまくり、すれ違いに勘違い、そして大切な人を思うが故の空回りといろいろ切ない展開の連続でなかなか辛いお話。

ユーリャと坂上さんは「惹かれてはいけない人に惹かれてしまう」ととても胸キュンモノの王道展開なのに、これほどまでにときめかなかったのも残念だなぁと。ひとえにユーリャが基本的に受け身すぎるというのが原因かと思われます。でも、犬神(小)にはいろんな意味でときめいた。かわいいし健気すぎて思わずほろり。

img黄金の花咲く―龍神郷―
宮乃崎桜子/岩崎美奈子
講談社X文庫ホワイトハート(2009.11)
ISBN:978-4-06-286624-8
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