ダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る / 渡海奈穂

本の感想, 作者名 や~わ行・他渡海奈穂

家臣に父王を殺されたたため、少数の騎士と共に国を追われたディアナ。滞在先の国で父の敵が病を得て今にも死にそうだという情報を入手したディアナは、ある決意を胸に唯一彼女に今も従っている女騎士ユフィを連れ国に戻ることを決意する。しかし、道中娼館にとらわれてしまったディアナは……

なんて切ないすれ違い。

ダブル・エンゲージの≪婚約≫編。国を追われた元王女様と彼女のつきそう女騎士のお話。お互いにお互いのことを一途に想いすぎているものの想いは通じず、という八方ふさがりのところから物語はスタートするため……ディアナがとてもツンでした。もう潔いくらい嫌みな王女様で本当にこいつどうしようと思いました。たぶん(というか絶対)何か裏があるなと思っていたのですが、思っていたのですがしんどかったです。確かに、彼女にその態度を取らせた理由を知っていたら可愛いけど苦手なんだもん。苦手なツンだったんだ……。

国に戻ってからのあの人達のユフィへの反応はちょっと予想外だったり、ディアナが格好良かったり、ユフィの宣言も男前だったりと終盤の盛り上がりが良かったですね。
私は百合モノが苦手なので手に取ることはほとんどないのですが、これは百合が苦手でも読めないこともないかな、と思います。そして≪交戦≫編は読んでなくても全く問題ないんだけど、読んでいた方が絶対に楽しめる一冊。こっちを先に読むより≪交戦≫編を先に読むことをおすすめです。
おまけの短編とカバーめくったところにあるショートについても、2冊とも読んでから読むとニヤニヤ倍増でした。

imgダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る
渡海奈穂/石川沙絵
一迅社アイリス文庫(2010.04)
ISBN:978-4-7580-4151-5
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