鏡の国の女王陛下 / 山本瑤

本の感想, 作者名 や~わ行・他山本瑤

両親を亡くし叔母の家に居候するティファニーは、隣に越してきた謎の老婦人と仲良くなるが、夫人はティファニーに遺産を残し亡くなってしまう。彼女の残した不思議な鏡から別世界に飛ばされたティファニーともう一人の遺産受取人のアデルは、彼女たち(のどちらかが)が「鏡の守護者」として王太子と結婚させられるということを告げられ……

なんという王子様だ。

はじまりはシンデレラストーリーなのかな?と思ったんですがあんまりシンデレラっぽくなくて、ヒロインのティファニーが呼び出された世界で自分のやることを見つけるお話でした。ティファニーの置かれた環境は、仲のいい親戚に引き取られたシンデレラ、という感じですが、ティファニーがいい性格をしているのでそんなに悲壮感漂うことなく、ある意味たくましいなぁと思ってしまうほどでした。

二人の対照的な女の子が別世界でどう対応するか、というのも結構面白かったです。ティファニーがたくましいのでいろいろ心強いのです。そして対する王子様は……彼の置かれた環境から曲がってしまうのはしょうがないとはいえ、なんだこのやる気がないというか若干後ろ向きな王子様は。なまじ高性能なだけに残念だ。しかし、あのティファニーのお相手(とまではいってないのですが)なんだから一筋縄で行かない人でないとは思いますが。

あとは、序盤にしか登場されない女王様が素敵すぎるので、彼女の日常をもうちょっと垣間見てみたかった!とかの無茶な要望があるのですが、続きもあるらしいのでぼつぼつ読んでみようと思います。調べたところによると、え、いきなりこそまで!というところから話がはじまっているらしいのでちょっと楽しみだ。

img鏡の国の女王陛下
山本瑤/明咲トウル
集英社コバルト文庫(2009.12)
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