プリンセスハーツ~今宵はせめて夫婦らしくの巻~ / 高殿円
ここまでの みちのりは ながかった !
宮廷陰謀仮面夫婦モノ第8巻。クライマックスへの準備かつ、それぞれやっと自覚したよ!長かったよ!でも最後までそれか!というお話でした。ルシードは困ったヒーローだと思っていましたが、夫婦関係においてはジルの方が困ったちゃんだったのですね。
今回はいろいろ裏では動いてはいるものの、表だった事件は起きなかったのでクライマックスへの前準備+ルシードとジルの気持ち整理的ターンなのかな、と思いました。事件が起きてないので窮地にはまだ立たされておらず、いつものすかっとするどんでん返しはなかったのですが、周囲の汗と努力と涙の結晶の脱仮面夫婦への道!はいろんな意味で感無量でした。ナンセ公爵夫妻がいい味を出しすぎている。
あれよあれよという間にジルの正体を知る人が増えてるな、と思いつつ、ヴィスタンシアの真意が気になりますね。感触としてはアジェンセン寄りと理解していいとは思うのだけど、でもそんなに簡単に考えていいのかなと悶々としてしまいます。悶々と言えば、リドリスも怪しすぎて悶々です。これはもう本当にお兄ちゃんが大好きなだけなのか!と信じたいなぁという読者心がありつつ、序盤であそこまで嫌な人だったのでなんかあるに違いないと疑わずにいられません。
パルメニア攻略が開始される次巻は、燃える展開であることは間違いなし!他のパルメニアモノを読んでいるのでどういった結末を迎えるのかは分かっているのですが、やはり楽しみでなりません。そして、他のシリーズを読んでいてもジルとルシードの結末は全く予想ができないので心配半分、期待半分です。最後にルシードの横にいるのは、ジルでいてほしいと切に願っています。
プリンセスハーツ~今宵はせめて夫婦らしくの巻~
高殿円/明咲トオル
小学館ルルル文庫(2010.07)
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