天国になんか行かない <運び屋>リアン&クリス / 清家あきら
駆け出しの<運び屋>リアンは、その高額報酬につられて、天才少年博士のクリスチャン・リーを学会会場に送り届けるという仕事を請け負う。何者かに命を狙われているらしいクリスを護衛しながらの仕事となった上、クリスには重大な秘密があるらしく……(『天国になんか行かない』)
クリスのボケ具合がかわいい!
ウィングス文庫の新人さんのお話。男性コンビがメインだけど怪しい意味はないよいコンビモノ!と聞いて読みたいなぁと思っておりました。そしてこれは確かによいコンビモノ……!表題作の他、無事コンビを結成(?)したクリスとリアンの「クリスの初仕事」を描いた「死神なんか怖くない」、そして書き下ろし短編「ストーカーなんかぶっ飛ばせ」の三編収録です。痛快系というよりはしんみり系の物語。
あんまり書くとネタバレになっちゃうんで適当にぼかして書きますが、とにかくクリスのぼけ具合と成長過程がよかったです。クリスの秘密は何かあるんだろうなぁと思っていましたが、察しの悪い読者なので途中で気付くということはありませんでしたね!そのためそのあたりのネタばらし周辺もとても楽しめました。
クリスとコンビを組むことになったリアンの世話焼き&苦労性でついつい貧乏くじ引いてしまうアニキ体質もよいです。
続刊も楽しみです。
天国になんか行かない <運び屋>リアン&クリス
清家あきら/山田睦月
新書館ウィングス文庫(2010.05)
【bk1/amazon】