花嫁アンソロジー / 深山くのえ・片瀬由良・葵木あんね

本の感想, 作者名 あ行, 作者名 か行, 作者名 は行片瀬由良, 葵木あんね, 深山くのえ

両親を亡くし、身分を捨て良家の姫君の女房として生きる綺は不思議な紙売りから一枚の薄様を買う。そして、青年貴族の高季は綺姫の買った薄様の残りを買うことになり……(冬の蝶)

「花嫁」にかけた短編3本。ごちそうさまでした。

アンソロジーモノって読むのめっちゃ久しぶりだな、と思って読みました。深山さんの携帯電話メールが平安時代にあったらもしかしたらこんな感じ?の平安モノ「冬の蝶」、片瀬さんは王子と比奈の結婚式を描いた愛玩王子の番外編、そして葵木さんは後宮に放り込まれた女の子がなんでか皇子に気に入られて、というお話。

一番お気に入りなのは、あらすじにも書きました「冬の蝶」。このすれ違いっぷりがたまらんというか早くもっと近づいてっ!てやきもきしながら読んでしまいました。深山さんの平安シリーズは読んでいないんですが、ちょっと読んでみようという気になっています(今がチャンス!)
片瀬さんの愛玩王子は途中で読むのが中断していて誰が誰だかと思うシーンもちらほらありましたが、ラブラブっぷりがお熱い限り。レティちゃんはやっぱりかわいかった。なんでこの結婚式にまで行ったかの経緯を知るためにも、続きを読まねば……。
そして、チャイニーズな後宮モノを得意とされている?らしい葵木さんの物語も、(本人に全くやる気はないとはいえ)のし上がり系で好みの展開でした。書について力説するヒロインが面白くてかわいかったです。

img花嫁アンソロジー
深山くのえ・片瀬由良・葵木あんね/高星麻子
小学館ルルル文庫(2010.09)
bk1/amazon