シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と緑の工房 / 三川みり

本の感想, 作者名 ま行三川みり

銀砂糖師の称号を手に入れたアンだが、それと引き替えにシャルはアンの元を離れてしまった。シャルを取りもどすため、ペイジ工房の職人頭として工房の建て直しに挑戦することになったアンは、凋落したかつての名門工房のしがらみに立ち向かう。

職人の矜持と現実と。

男社会の砂糖細工職人の世界で一人(+相棒の妖精達)とがんばる女の子のお話第4弾。3冊目までが「銀砂糖師」になるまでのお話としたら、ここからは銀砂糖師になっても苦労は続くよ、というところでしょうか。
アンがアンの持ち味でペイジ工房の職人たちの信頼を得て、工房建て直しのためにある選品会に参加するための作品をみんなで作り上げる姿はワクワクして楽しかったです。それに対して、今回の「捕らわれのシャル」関係は……前回のヒキからシャルを手に入れたペイジ工房のお嬢さんブリジットさん、こわっこの人悪役っと思ってしまったのですが、彼女のバックグラウンドが語られて納得。嫌いじゃないなぁ、この人。しかし、今回の彼女の結末は、彼女がこれからどうなるのか怖いな。(様々な壁があるものの)全てを手に入れるアンと手に入れられないブリジット。アンの今後とともブリジットの今後も気になります。

imgシュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と緑の工房
三川みり/あき
角川ビーンズ文庫(2011.04)
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