騎士は踊る―マグノリア・ナイツ― / 水壬楓子
昔助けた女の子と再会するために、騎士を養成するための修道学院の入学試験に挑みにノイングラースにやってきたランス。そこでジークという友人を得て、入学試験の本試まで進んだのはいいが、とある陰謀に(本人が気付かぬまま)巻き込まれてしまう。
オチはやっぱりアレだった(想定内)。
「混ぜるな危険」まで行かないレベルの「男の子がきゃっきゃうふふと青春しているお話」が好きなので、そのレベルだといいな!と期待を込めて読んでみたアイリス文庫。今のところは私の期待レベル通りの青春模様だったのでよかったです……。
小さい頃のあこがれを胸に修道学院の門を叩いたランス。入学試験にやってきたのは貧乏貴族のジーク、国王陛下のお気に入り、訳のわからない華やかさを持ったおぼっちゃん、嫌味な貴族と千差万別。一方学院にはノイングラースの公子様、癖の有り過ぎる教官、とこちらもいろいろ個性が強い方が多くて面白かったです。そして、女性陣も個性が強くて(個性が強いのは、「ランスのあこがれの人」だけかもしれない……)、なかなかに好印象です。
陰謀面も(単純な読者なので見事にミスリードされつつ)楽しみ、青春っていいなぁ、しかしランス君がピュアに爆走している姿は面白いなぁと、とそれなりに楽しんだんですが、地の文の登場人物?のツッコミ?(すいません、詳しくないのでこのような表現をなんと呼べばいいのかわかりません)と、頻繁に出てくる「現代語的な軽い表現」がどうにもこうにも引っかかってしまいました……。いや、盛り上がってきてなれたらそれほど気にならなかったんですけど。うーん、これも個人的な問題とはいえ、展開や設定が好みだっただけにちょっと惜しいです。