テキトー王子、嵌められる(三回)。 / 汐見まゆき

本の感想, 作者名 さ行汐見まゆき

結婚翌日に寡夫かつ七人の子持ちとなった「顔だけ王子」リヒトは、娘かつ次期女王であるクレーエの即位に必要な儀式をとり行うため、隣国ズィグナルに向かう。しかしそこでリヒトは息子のロランとクレーエと喧嘩をしてしまい、さらに痴話喧嘩に巻き込まれた挙句、娘たちとともにさらわれてしまう。

愚息とお父さんのやりとりがよいものです。

やもめ王子(七人の父)の子育てを描いた王宮ホームコメディ第二弾。テキトーな王子様が突っ込みいれながら奮闘する様子が毎度ながらに面白かったです。今回は、娘の危機を救うために、ちょっとだけ「本気モード」になったリヒトの様子がかっこよかったという目の錯覚……なのに大事なところで父性愛がまさるリヒトが、なんだかいいなぁ、と。

冒頭にも書いていますが、長男とリヒトのやりとりがいろいろぐっとくるところがあり、大層好みでした。今回お騒がせの張本人のジゼル関係は、次回に持ち越しなのかなぁ、彼女とは雪解けがまだなので、ちゃんとデレるところまで描いて欲しいなぁと思います。だって素晴らしいツンデレだもん。

テキトー王子、嵌められる(三回)。
汐見まゆき/松本テマリ
ビーズログ文庫(2012.06)
amazon/honto