デ・コスタ家の優雅な獣3 / 喜多みどり
パレデスから巻き上げたホテルを任されたロージーは、ファミリーの構成員リッツの助言を受けながらホテルのカジノ経営に(ロージー比で)意欲的に取り組んでいた。そんな中、市長選が間近に迫り、デ・コスタ家に便宜を図っていた現職の市長が汚職の追放を掲げる対立候補に押され気味の中、ダリオが対立候補の息子を誘拐したとして指名手配されてしまう。ダリオの行方を探すロージーは、この事件でデ・コスタ家では闇に葬り去られた名前を知り……
ロージーが「悪い」ことをしているころが相変わらず鳥肌モノ。
少女小説にしては珍しくナンバリングされてるから何冊目かわかりやすくていいですね、のシリーズ3冊目。内気なロージーが自分の居場所を確保するために「悪」に手を染めていくお話なんですが、「悪い」ファミリーも徐々にロージーに感化されているところに思わずにやり、としながらも容赦無い展開だなぁ、といろいろびっくりしながら読んでおりました。
今回の(派手な)山場はダリオを探していくところと思うのですが、読んでいて一番手に汗握ったのはやっぱりロージーのポーカー勝負。弱気を押し切って、演技して、相手をはめたロージーがめちゃくちゃかっこよくて読んでいてスカッとしました。ロージーの「余裕の微笑み」が本当にかっこいいんですよねぇ……本人は緊張しすぎて倒れそうですが。
ダリオが妙にかわいかったり、エミリオの思わぬ一面を見られたり、ノアが熱かったりと三者三様で面白いなぁと思っていたところに、最後の最後になんだと!という種明かしがあってびっくりしたので続きも楽しみです。早く読みたいなぁ。