デ・コスタ家の優雅な獣4 / 喜多みどり
デ・コスタ家と利害の一致のあった市長の失脚により、デ・コスタ家の置かれる状況は厳しくなり、古参の幹部がエミリオの方針に異を唱え出す。エミリオについて仕事を勉強しているロザベラは、エミリオがはじめようとしている新しいビジネスに不信を感じ、そのお披露目を妨害しようとするのだが……
三兄弟それぞれの立ち位置が辛いなぁ。
5巻で完結予定のシリーズ4冊目。前巻からアホかわいさがうなぎ登りだった三男のアホかわいさに磨きがかかっていました。エミリオ兄さんはエミリオ兄さんで、ファミリーのために、ダリオのために何事もないような顔をして「罠」をしかけてるし、そしてなによりノアの下した「決断」が、ねぇ。今回もロザベラとノアのお互いを想う様子が丁寧に描かれていただけに、これは辛い。
それはさておき、1巻の頃から考えるとロザベラの「悪い子」ぶりが非常にたくましく格好良く、思わずほれぼれしてしまいました。初期の頃の「びびりまくって虚勢を張って」というところまでいくても(演技ではあるものの)自然とデ・コスタの一員として「悪いこと」をしている姿がりりしくてすごいなぁ、と。
最後まで目が離せない展開で、最終巻が楽しみです。