贅沢な身の上 だからときめきが止まらない！ / 我鳥彩子
花蓮の機嫌をとるために街に出た天綸は、福福しい商人が拉致されるのを目撃してしまう。以前の「手下」からその商人の身元と拉致の真相を聞いた天綸は、その商人を一応「助け」に行くが、誰かを彷彿とさせるようなとても攫われた人間とは思えない商人に気に入られてしまう。（男の純情をときめきに乗せて）
理央さんと鳴鳴ちゃんが、いいものなのです……
中華風のドタバタハイテンションラブコメの番外編。陛下が花蓮ちゃんのお父さんにスカウトされるお話（男の純情って陛下のことかと思ってたけど、元手下のほうが切実だったな……）と、花蓮が首を突っ込んでカップルを成立させるお話と、理央さんや鳴鳴ちゃんのちょっとしたショートストーリーや学園パロディ、さらにはこのシリーズの大元になった「贅沢な身の上」の読み切り版にコミック版といろいろ豪華な一冊でした。
読み切り版の贅沢な身の上は、花蓮の落ち着いた語り口のお話で展開は同じはずなのに全く別の話にみえてびっくりしました。これは、えらく方向転換したなぁ。やってることは同じなのに読み切りの花蓮は5歳くらい年上に見える（笑）。これでシリーズ化してたらそれも面白かったとは思いますが、今のノリも結構好きなので、どっちにしても美味しくいただけるかと！
花蓮ちゃんと陛下の残念漫才も気になりますが、私は理央さんと鳴鳴ちゃんのじれじれも気になる今日このごろです。この一冊でまた盛り上がってきた……。
贅沢な身の上 だからときめきが止まらない！
我鳥彩子/犀川夏生
集英社コバルト文庫（2013.02）
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