死にたがり姫事件譚―黒猫に捧げる愛の歌― / 宮野美嘉
アカシア・オルド王立学院に編入することになったオルド公爵の令嬢ユキハは「死にたがり姫」と呼ばれる奇妙な姫だった。編入当日に自分を殺してくれそうな理想の相手ジンに出会ったユキハは、授業に出ることもなくジンを追い回すがジンはユキハから逃げ続ける。そして、ユキハがジンの近くにいるためにジンがユキハに提示した条件は……
や、やんでれ……
ルルル文庫の看板作家さんの新作。前作は途中で読むのがストップしてしまっているのですが……、なんというか、一筋縄ではいかない少女小説で面白かったです。
諸事情により「自分を殺してくれる人」を探している令嬢ユキハ。成績優秀ながらも問題児のジン。この二人の追いつ追われつの関係が、非常に特殊で……うまいこといえないんですがおもしろかったなぁ、と。ユキハの口説き文句は角度を変えたら熱烈な愛の告白だなぁ、と思っていたら。実際そんな感じのお話でした。ユキハの思考回路もジンの思考回路も丁寧に描写されているので納得はできるのですが、理解はできませんでしたね!個人的に病んだ系は苦手なので……面白かったんですが。
こう、いろんな人が怪しくて、どれもこれもがヤンデレに見えて仕方がなく、ある意味非常に手に汗を握った展開。ユキハの口調がかなり独特で、私これ最後まで読めるかしら?と思ったのも事実ですが、この辺りは割合すぐ慣れて最後まで一気読みでした。続きもあるなら読んでみたいなぁ。
死にたがり姫事件譚―黒猫に捧げる愛の歌―
宮野美嘉/増田メグミ
小学館ルルル文庫(2013.05)
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