覆面竜女 巫女は挑む、三鼎の皇都 / 藍川竜樹

本の感想, 作者名 あ行藍川竜樹

竜娘の選考審査に参加するため、皇都にたどり着いた蓉華は、蝶麗とともに竜娘の能力を増幅させるという「竜魂薬」に絡んだ事件を追うことになる。この事件には竜府の役人も絡んでいるらしく、竜府の弱みを握ろうとする蒼翔は蓉華が全面に出て事件を追うことを禁止しようとするが……

お蝶さまいいなぁ。

シリーズ三冊目はいよいよ魔窟に乗り込んで前哨戦、の一冊。竜府のどろどろはなかなか根が深そうだなぁ、という背景がちらほらと語られました。そして、蒼翔の病み具合も結構進んできてますねぇ……ヤンデレヒーローだな。蒼翔の病み具合もだけど、竜娘に関係する背景も結構ハードでシリアスなんだけど、シリアスすぎて読めないと思わないのは、ひとえに蓉華の崩壊した美意識とそれにまつわる蓉華親衛隊の皆さんのハチャメチャブリなんだろうなぁ、と。またむさ苦しい舎弟(というのが一番伝わりやすいかと)も増えたことですし、ここの味方陣営はどこまでむさ苦しくなるのかとちょっと心配です。

今回も前回に引き続き、お蝶さまがいい味を出していました。女の子の友情っていいよね、いいよね!というお蝶さまのツンデレぶりが本当にいい味を出しています。蒼翔の弟くんのツンデレぶりも健在で、このツンデレコンビがいいわぁ……。あとはこの物語はヒロインを初めとして女性陣に芯の強い方が多いのがよいですねぇ。今回初登場の皇后様もなかなかの猛者っぽくて、彼女の動向も気になるところです。

覆面竜女 巫女は挑む、三鼎の皇都
藍川竜樹/サカノ景子
集英社コバルト文庫(2014.01)
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