銀嶺の巫女 蒼天を駆けるもの / 森崎朝香
榧を助け<焦土の神>を開放してしまったことで、反逆の容疑をかけられたギンレイ王・焔は、裁きを受けるために榧と共にオウドの杜に向かう。しかし、オウドの杜が何者かに襲撃され神の名が奪われるという事件に遭遇してしまい、焔は次の皇帝・霜月と共にその犯人を追うことになる。
槇さまがさすがの一言でした。
昨年秋に発刊された「銀嶺の巫女」の二冊目で完結編。一冊目の時は一応綺麗に終わっているし読み切りかなぁ、と思っていたので店頭で見るまでその発売に気付いておりませんでした。それはさておき、前回のお話の後始末編、といいますか、神々が人にとらわれる事になった真相と、神々の反抗と、そしてこれからの人と神々とのつきあいかたについてのお話でした。不審な人物が数人いて、今までの展開からあの人とかこの人とかかなぁと思っていた所にだいたいそんな感じだったので、私の適当な予想もあたるもんだな、とある意味満足です。
優秀な巫女であるものその「なんとかと天才は紙一重」を地で行く槇様の安否が懸念されておりましたが、相棒の霜月様共々通常営業で安心いたしました。そしてパワーアップ(というか本拠地に来て好きなように振る舞いまくっている)槇様がさすがだなぁ、と。
物語のヒロイン榧ちゃんと彼女の保護者・焔さんのアレコレは、こう、少女小説的に相変わらずおいしくて。最後の最後の榧ちゃんのあの言葉はもしかしてそうなのかなーと思ってたらそんな感じだったので、ロマンチックでよいですなぁ、とニヤニヤしてしまう結末にごちそうさまでした。