革命は恋のはじまり~つながる想いと開ける未来~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

教員採用試験の最終試験である実地研修先に、ただ一人首都から離れた辺境の村を割り振られたナクシュデルは胸に抱える疑問を押しとどめて、ひとり研修先に旅だった。研修先で改めて教育についての自分の思いを確認したナクシュデルは村の子供達すべての読み書きをマスターさせるという目標を立てる。

綺麗に収まったー!

革命で後宮が解散してから物語が始まったシリーズ5冊目の最終巻。最初は後宮で身につけた技能(舞踏等)で生活を立てることから始まり、次は後宮で学んだことを元に先生になろう、とナクシュデルが偏見をはねのけて奮闘するというヒロインの頑張りがとても気持ちのいいシリーズでした。そして、序盤は堅物も堅物、のリュステムがえらく情熱的になってて(それでも据え膳は食べないけど)、なんというかごちそうさまですよねー恋ってすごい。
今回は前回と違って悪意のある偏見と戦うわけではないのであまりストレスはたまらず、ナクシュデルがずずいと前に進んでいく姿がよいものでした。よいものといえば、ナクシュデルとレオンティウスの最後の会話が、ねえ。この三角関係はよい三角関係だったなぁ。

主役二人以外については本編ではその後が語られることはありませんでしたが、あとがきによるとフラグが立ったのはうまく行くそうなので番外編とかそういうの読みたいかもです。アイハンは絶対笑えると思うし、パキーぜ関係は壮大なロマンスになると思うんだけど(笑)。あとは、熟女好みのアブデュルも宗旨替え、するんですよねぇ……?主役二人を含めて、個性的なキャラクターも魅力的で面白くて、良いシリーズでした。最初はだつもう!から始まって一体何ごとかと思いましたが最後はその辺りはなりを潜めましたので、最初のところで引いてもまあなんとかなる。また新しいお話に期待しています。

革命は恋のはじまり~つながる想いと開ける未来~
小田菜摘/雲屋ゆきお
ビーズログ文庫(2013.08)
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