妖精国の恋人 恋せよレディ! もふもふの城は大騒ぎ / 山本瑤

本の感想山本瑤

城の妖精たちを一応「抑えていた」レプラホーンが少しの間度に出てしまい、城の妖精たちが騒ぎ出す。そこに現れたのは、現女王にも祝福を与えたことのあるという完璧なハウスキーパーのオーク夫人(妖精)。ケイトリンを狙う妖精王の使いと知りつつもオーク夫人を受けいれたケイトリンだが、近日中に女王の名代としてやってくる老公爵が城に到着する日が近づいていており、その対策にも追われることになる。

気位の高い黒ウサギが役得すぎて。

無事恋人になったはいいものの、妖精、そして人間たちの妨害にどう立ち向かう、の三冊目。お城のみんなはもうすっかりケイトリンに心酔しておりますが、都の人はそうでもなく……というところですが、今回の「強敵」の公爵はきっと素敵じじいに違いない、と思って読んでいたら、ツンデレなじいさまで、少女小説的に「よい」じいさまでした。うん、こういうのいいわ(笑)。妖精に関することで少しつらい過去を持つ公爵ですが、ケイトリンの前向きさにつられて前に踏み出すところがいいなぁと思いました。

ケイトリンとの微妙な「関係」の揺れで黒ウサギになる王子様も、黒ウサギをなんのかんのと楽しんでおられて、それがまた読みつつもにやりとしてしまう楽しみ方でこれも面白かったです。続きもぼちぼち楽しみです。

妖精国の恋人 恋せよレディ! もふもふの城は大騒ぎ
山本瑤/起屋一子
集英社コバルト文庫(2014.06)
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