お嬢様にしかできない職業 -花婿様の愛の告白- / 悠木美羽
メンフィス伯爵夫人に気に入られたラビットは、伯爵家の跡継ぎジラートの花嫁にと望まれるが自分の中で答えを出せずにいた。一方、ラビットへの告白がことごとく空振りするユーグは、王太子との結婚を間近に控えた妹ミレニアに発破をかけられていたが、同時に都を騒がせる怪盗の拿捕も命じられており、情報屋のラビットの力を借りるという名目でメンフィス伯爵家に滞在していたラビットを公爵家に迎え入れる。
空振りばかりのユーグさんの純情がよいものでした。
情報屋の伯爵令嬢ラビット(貧乏)と彼女に恋しちゃったばかりに踏んだり蹴ったりな純情公爵ユーグの恋物語、最終巻でした。今回のスパイスは、都に突如現れた怪盗レディローズ。この関係はちょっとまったー!と思う程度に突っ込みどころが多かったのですが、この話はそこが本題じゃないので!この事件をスパイスに、ユーグの恋が成就するかどうかというところが楽しかったです。
ユーグさんはお約束の展開を大体クリアしているのにことごとくラビットに伝わらないし、ラビットはラビットで曲解するわ腹据えちゃうわでこのすれ違い(傍から見るとそんなにすれ違ってない)が、よい少女小説でした。
お嬢様にしかできない職業 -花婿様の愛の告白-
悠木美羽/四位広猫
ビーズログ文庫(2014.11)
【amazon/honto/BOOKWALKER】