リリー・フィッシャーの難儀な恋 / 宇津田晴
商家からの成り上がりで貴族になったフィッシャー家のリリーは、父と兄の命令で気の進まない社交界での社交をこなす中で、初めて貴族の友人ができる。その友人のたってのお願いで、彼女の幼なじみの「異変」の様子を見てくることになったリリーは、行儀見習いとして王宮に上がる。そして、調査対象が「オネエ化」してしまっているという衝撃の事実を知ったリリーは……
男前ヒロインと腹黒ヒーローで面白かったです。
宇津田さんのルルル文庫読み切りなのでまー安心ですよね~と思いながら読んでおりましたが、安心な割にヒーローポジションのエディがオネエ口調という変化球だった今作、面白かったです。
リリーちゃんのたくましさと男前さと純粋さにすってーんと転ぶエディの様子にニヤッとし、恋心を自覚したリリーのあたふたする様子にニヤッとし、任務はどうした任務は!と突っ込みたくなるエディの猛攻にさすが宇津田さん……と感心しながら楽しく読んでいました。
それほど込み入った陰謀もないのですが、少女小説宮廷モノとして陰謀面の兼ね備えており、最後の最後まで楽しめる作品でやはり少女小説はいいものだ……と読んだ後しみじみとしてしまうラブコメで楽しかったです。
リリー・フィッシャーの難儀な恋
宇津田晴/増田メグミ
小学館ルルル文庫()
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