誓約の花嫁と煌きの王 / 悠木美羽
「聖なる花嫁」の神託を受け、将来の結婚相手が王になると定められた王女アンケスエン。神殿で暮らしていたアンケスエンだが、内乱が二度起こり、その度に簒奪者と結婚させられていた。護衛のアルディスとともになんとか王城から逃げ出したアンケスエンは、逃亡途中にアンケスエンが予知夢で見た将来の王ティトに出会う。
ネタはいいんだけどなぁ……。
前作に引き続き「神託で王妃様が選ばれる」読み切り二冊目。今回の主要登場人物は「耐える年上王妃」と「素直になれない年下王様」に「王妃様に付きそう護衛」という陣営で、これはすれ違う……と思っていたら見事にすれ違いがすれ違いを生んでいて、予想通りのこじれ具合が良かったです。
と、ネタというか展開自体は非常に好みなんですが、前作に引き続き、全体的にイマイチ感が拭いきれなかったのがなんのかんのと残念です。たぶんここがクライマックスなんだろうなぁというところもいまひとつ盛り上がりきらず、最後に至ってはえええええ、そこ?いやそういくのが一番しっくり来るかもしれないけど!そういう展開持ってくるならもうちょっとなんか前準備!と思ってしまいまして。
デビューシリーズの時から感じていた「なんかいまひとつ感」がここにきて悪い意味で全面に出てきているような気がします。私の感覚に合わないだけとは思いますが、今後は様子見かなぁ……。
あ、あと「電子デラックス版」なる短編(というか中編?)つきのものを買いました。短編自体はよいものでした。
誓約の花嫁と煌きの王
悠木美羽/椎名咲月
ビーズログ文庫(2015.10)
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