公主様のお約束!だからたっぷり愛でられる / 我鳥彩子
花梨は生身の男から逃げ回っていたものの、天帝の孫で呪いをかけられおり日中は女の姿になってしまうという美味しい設定てんこ盛りの楽耀と婚約することになってしまう。楽耀の呪いが解けないかぎり花梨の婿として披露できないため、先に進まなくていいと安心していた花梨だが、病気を治すという不思議な桃の存在を知り……
寸止めの神様の神通力は健在ながらも。
贅沢の子供世代のスピンオフ2冊目でこれにて完結。親世代よりも寸止めの神様の神通力が弱かった(笑)。母親似の「引き」の強さで、川から流れていく不思議な桃の出処をつかむところから楽耀の呪いの解呪に進むという、もうこれすべてがうまく繋がりすぎて流石だなぁという展開に笑ってしまいました。毎度のことながら、お見事な展開です。仙界は仙界で、これまたいつも通り緩いな(褒めてる)という楽しさもあり、そして仙桃を食べてしまったがために「まとも」になってしまった花蓮がとにかく面白かったです。旦那さんはともかく、皇太后までもが元に戻ってと言っている……と彼女の人徳をありありと見せつけられたような気がしました。
花蓮の物語に比べてだいぶ短く終わってしまったものの、弟くんや妹ちゃんの話も読んでみたいなぁと思ってしまうほど他の登場人物も魅力的で楽しかったです。スピンオフとしては十分くらい楽しめたように思いますが、他のスピンオフも出てくれたら嬉しいなぁ。
公主様のお約束!だからたっぷり愛でられる
我鳥彩子/梶山ミカ
集英社コバルト文庫(2015/01)
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