(仮)花嫁のやんごとなき事情11~最終決戦はついに離婚!?~ / 夕鷺かのう

本の感想, お気に入り, 作者名 や~わ行・他夕鷺かのう

絶体絶命の危機に生死不明だったクロウに助けられたフェルだが、黒龍領には皇帝からの討伐隊が迫っていた。妖精王と皇帝に対抗するために、そして妖精王と同化しているパールを助けるためにクロウとフェルは正気に戻ったジルフォードたちと反撃に出る。

今回も盛り上がってさすがでした。

シリーズ本編11冊目にしてクライマックスの1冊。いわゆる「強大な敵」である妖精王関係は一応決着をみたお話でした。
今回はどこからどうとってもあやしすぎるクロウの母親リグレインの過去と内面が語られて、これはここで持ってくるとは反則……!と唸ってしまいました。あのモノローグがあってのリグレインとフェルのやりとり、そしてリグレインのクロウへの言葉が非常に重たいなぁと。
一方で、無事再会したフェルとクロウも(主にフェルが)笑いに持って行きながらもちゃんと夫婦のやり取りがあったのがすごいですね。流されたと思わせておいてちゃんと攻める旦那さんがすごいですね。そこで笑いに走って行って帰ってこなくなる、ということがなくなったのがシリーズの歩みを感じます。

ガタガタ兄弟だったのが、なんのかんのと最後は一つにまとまったところは垂涎ものでしたし、聖職者のお二方もなんのかんのと美味しかったですし、なによりフェルとクロウの絆にじんときて、ああこれはハッピーエンドまでカウントダウンだなぁと思っていたところに、1巻から考えると「ようやく」ですがまさかの展開でしたので、最終巻が待ち遠しいです。

(仮)花嫁のやんごとなき事情11~最終決戦はついに離婚!?~
夕鷺かのう/山下ナナオ
ビーズログ文庫(2016.03)
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