ワーズワースの秘薬 愛を捧げる光の庭園 / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

吸血鬼を人間に戻すための秘薬の材料である銀の薔薇を手に入れたアメリアは、ユージンたちのために銀の薔薇を育てようとするが薔薇が枯れはじめる。薔薇を育てるための情報を得ようと、奔走するアメリアだが、同時にユージンと敵対する吸血鬼であるディオンもユージンを陥れるため暗躍しており……

真っ直ぐなヒロインは良いものですね、という完結編でした。

シリーズ2冊目で完結編。前巻が脱吸血鬼のための方法とその材料をなんとか手に入れたところで終わっており、続きが出ないともやもやするなぁというところだったのですが、今巻で高速展開ながらも無事問題解決。合計3巻くらいでもうちょっとじっくりやってほしかったなぁとも思ったりしましたが、昨今の世知辛い状況の中、2巻目が出たというのでも良かったということで納得しております。

で、物語を加速させるための「いい当て馬」さんやら、秘薬の最後の「秘密」などお約束すぎる……いやでもそれがいい……いやでもクライマックスのところはちょっと無理矢理すぎて興ざめ……だったけどそこからのエンディングがよい……という展開で、最終的には少女小説っていいね!というラストで満足したのでした。全然隠せてないユージンと、恋する様子がかわいいアメリアの鉄板のやり取りがこれまたええものでして……直球の展開って安心して読めて良いものです。

ワーズワースの秘薬 愛を捧げる光の庭園
文野あかね/山田シロ
角川ビーンズ文庫(2017.04)
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