屋根裏部屋の公爵夫人2 / もり

本の感想, 作者名 ま行もり

オパールは嫁ぎ先のマクラウド公爵家を立て直し、円満離婚後、隣国で地位を築いていた幼馴染のクロードとともに新たな人生を歩み始める。クロードとの仲も順調で、今度は特に波風なく順調な生活を送れるかと思われた矢先、オパールとクロードのもとにオパールの元・夫ヒューバートがやってくる。この来訪をきっかけに、オパールとクロードは一旦故国に戻ることになる。

今回からダンナさんがしっかりしているので、ある意味安心して読めるお話でした。

シリーズ2冊目。元「屋根裏部屋の公爵夫人」が女の敵を成敗したりするお話。前回は「逆境にも負けずしてやったりでの細腕繁盛記」がとても面白かったので今回もそれを期待していた部分があるんですが、細腕繁盛記的な要素はあんまりなくてちょっと残念。今回からはダンナさんがしっかりしてるからあんまり心配いらないってのもあるんですけどね。
そして前回は悪役らしい悪役はいない中での逆転物語、だったのですが今回は悪役が!小物だけど悪役が!もうどこからどう見ても気分の悪い悪役なのでどう成敗されるのかが本書の重大ポイントです。そして無事成敗されてすっきりでした。やっぱり悪役はスッキリ成敗されてなんぼです。

元夫も、やっぱりちょっと頼りなさはあるもののそれなりにしたたかになってて成長を感じ、そして彼には彼で幸せになってほしいと思えるほどのキャラクターではあるのですが身内がやっぱりまだまだ問題ありでもやもやとしてしまいます。「身内」さんも成敗されるか、別フォローされるかしないとこのモヤモヤは収まらない……収まりが悪い。

2冊目も面白いことは面白いのですが、「逆境からの大逆転」がないので、1冊目に比べてパンチが足りないというか物足りなさがあります。大逆転的な要素がない分、恋愛面でのドタバタというか胸キュン的な要素が強いかといえば、そういうこともなく安定しすぎていて逆に物足りないというか。ヒロインかっこよくて周囲の人物もしっかりしててストレスなく読めて好きなんですが、もうちょっとパンチが欲しいなー。

屋根裏部屋の公爵夫人2
もり/アオイ冬子
カドカワBOOKS(2018.12)
amazon/honto/BOOKWALKER