本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女」(全5冊)

本の感想, お気に入り, 作者名 か行香月美夜

下町の家族を救うため、ローゼマインと名を改め、上級貴族の娘として洗礼式を受け、領主の養女としてお披露目され、神殿長の職に就いた。神殿の孤児院を起点に本格的に製紙業と製本業に乗り出したローゼマインは、神殿長の職務をこなし、さらに後見人のフェルディナンドの指示で虚弱体質を改善するための薬を作るための材料採取にも取り組むことになる。

得た権力は製紙と製本に全力注入しました(そりゃそうだ)。

兵士の娘から始まって、領主の養女にまでクラスチェンジしたローゼマインの立身出世物語(※本のための出世)、第三部では本を作ってウハウハしていると見せかけて実はわりにヘビーでドロドロした陰謀劇であることが明るみになってきました!こういうの大好きです!でもちょっと相手の意地が悪すぎるので早くすぱっと懲らしめられてほしいです!と思いながら読んでました。陰謀劇はまだまだドロドロしたのが続きそうなので、この続きを待てという状況なのですが……。ローゼマインの義兄は、いい子なんだけど、今回何回か反省もしたんだけど、あと二揉めか三揉めありそうな気がするのがつらいなぁ……。めちゃくちゃいい子なんだけどなぁ……。

フェルディナンドが本づくりのネタにされたり、フェルディナンドがネタにされるのを全力で拒否したり、フェルディナンドのチェックが甘くて本人のあずかり知れぬところで闇本が流通してたりするのが面白かったです。フェルディナンド、超優秀で仕事もできるし気遣いもできるしローゼマインの最大の理解者だしでスパダリ間違いなしなのに、あと一歩のところで詰めが甘いのがよいですね。いつか闇本を見かけてしまって唖然とするがよい……。