本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身7~12(完)」/香月美夜

本の感想, お気に入り, 作者名 か行香月美夜

貴族院の祠巡りの結果メスティオノーラの書にたどり着いたローゼマインだが、メスティオノーラの書を入手している間に貴族院の季節が終わっていた。メスティオノーラの書を手に入れたことでゲオルギーネがエーレンフェストに仕掛けようとしていることを理解し、急いでエーレンフェストに戻ったローゼマインは備えを始める。一方、アーレンスバッハで領主業務を丸投げされているフェルディナンドに一大事が迫っていた。

たどり着いたところはすごい下克上、かつ大団円でよかったです。

本好きの下克上本編最終章の後半最後まで。後半の前半、フェルディナンド救出~エーレンフェスト攻防戦についてはダンケルフェルガーの皆さんが輝いておられました。ダンケルフェルガーまじダンケルフェルガー。責任者としてついてこられたハンネローレもダンケルフェルガーの女だったし……。

アーレンスバッハの騒乱、エーレンフェスト攻防戦、そして中央動乱が数日のうちに終わったのもメスティオノーラの書とローゼマインとフェルディナンド(とダンケルフェルガーの皆さん)のハチャメチャな電撃戦あってのことだったのですが、疾走感がありそしてあっと驚く背景やらで大変忙しかったです。今までも容赦ないところはかなり容赦なく進んでいく物語だったのですが、特に今回は今までに輪をかけて容赦ない展開でしたねぇ。物語の方向性上、後味悪い終わり方にはならないとはわかってはいるものの、早く成敗されてしまえ!と思わずにはいられない展開でした。

そして後半はほぼ戦後処理。ついにローゼマインの図書館都市計画が始動して、紙づくりから始めてここまで……と感慨深いものがありました。図書館都市計画と並行して畳みかけるようなラブ寄せ(そういう展開であることはそれっぽい情報を薄目で読んでたので何となく知っていた)、想像よりもすごくて、とにかくすごくて、いやここまでの積み上げがあるし今回フェルディナンドの記憶に触れたことで納得感はすごくあるのですが、とにかくすごかった(語彙力がない)。しれっと外堀を埋めまくって押しまくるところにさすが魔王……と感心しつつ、最後の最後で引いてしまうところからのローゼマインからの答えが非常に良かったです。いや本当に。エピローグめっちゃよかった。とにかくよかった。本当に良かった。

今回4か月弱で本編をノンストップで読破してしましました(この期間中、趣味の本はこれしか読んでない)。リアルタイムで読んでいた人はすごく大変だったんだろうなあと感心しているところです(笑)。刊行順から考えて途中に短編集も読んだ方がよかったのでしょうが、とにかく本編を読みたかったので(本編に収録されているもの以外)読んでいないので、この感動をちゃんと覚えている間に残りの外伝や短編集も読みつつ、ハンネローレさんの物語も追いかけていきたいです。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身7~12(完)」
香月美夜/椎名優
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