本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集1・2 / 香月美夜

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集1・2 / 香月美夜 作者名 あ行
「いつも高熱で寝込んでいる妹の、熱が下がったあとの様子がいつもと違う。」
毎日体をふいたり、木の棒で髪を結ったり、食べるために加工したはずの油で髪を洗いだしたりと想像もつかない行動をとり始めたマインに、トゥーリはあきれと驚きと、そしてわくわくを感じながら振り回されていた(トゥーリ視点「変になった妹」)

次から次へといろんな人の視点で語られる短編集で面白かったです。

シリーズ本編は(プロローグとエピローグ以外は)マイン視点でマインの目の届かないところで何が起こっているのかはっきりとわからないのですが(マインが関与していないところが語られなくてもあそこまでうまく物語が進んでいくのはすごいなぁと思います)、そんな本編のあのタイミングやこのタイミングで何が起きていたのか、が様々な語り手たちから少しづつ語られる短編集です。現在短編集は3冊出ていてそのうち2冊を読みました。
個人的に一番気になっていたのはトゥーリとルッツなのですが(野次馬根性というか、どういう経緯でそうなったのかは純粋に知りたかった)、どちらかというと柔らかい理由ではなく実利と現状のベストチョイスという結果なのが、なんともこのシリーズらしいなぁという感想です。このシリーズ、結構地に足がついているというか割と容赦ないというか冷静に実をとる展開もそこそこあって、そのあたりのバランスが面白さにつながっているんだなぁということを今一度確認した次第です。

短編の語り手たちは、本編に名前がある人がほとんどなのですが、モブof theモブみたいな立ち位置の「誰やねんそれ」という人もちらほらみられて、普通の人から見たらそんな感じなのね(笑)というのも面白かったです。そう、私たち一般人が物語にいるとすれば、そんな感じ(またはそれより存在感はない)。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集1・2
香月美夜/椎名優
TOブックス(2019.10)
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