オペラ・グローリア 讃えよ神なき栄光を / 栗原ちひろ

本の感想, 作者名 か行栗原ちひろ

東方遠征を決行した皇帝の脇には、とらわれの身のはずの詩人・ソラがいた。帝国と東方の話し合いを取り持つために東方に戻る議長とともにソラを取り返そうと東方に向かうカナギ。一方、帝国に残ったミリアンはディクストラのためにある決断を下す。


病弱凄腕剣士な薬師とうさんくさい超絶美形の詩人、天然系の元暗殺者の魔法少女、そしてそのほか愉快な人たちが繰り広げるテンポのよい笑えるやりとりのおかげですっかり忘れそうになるけど実は結構シリアスで壮大な物語のオペラシリーズのラスト一冊前。

うわー、うわー、ソラのバカアホ間抜けという感想がまず頭に浮かぶような内容でした。何を書いてもとりあえずネタバレネタバレで以下今月発売された最終巻を待てという展開でしたので、タイムラグ無しで最終巻を読んでる私は幸せ者(笑)。

カナギやミリアンのそれぞれの戦いの行方が非常に気になります。カナギはいつもにまして死にそうだし、ミリアンは大仕事だしでどうなるのかな。二人と、そしてソラならきっとうまくいくというある種の安心感はあるのですが、しかし、ソラがあっちの方向に突っ走ってしまってるので油断なりません。がんばれカナギ。
そしてバシュラールの戦いも。やっと腹をくくったバシュラールとシュナルの壮絶な戦いの行方も気になるところです。しあわせになってほしいのだけど。バシュラールのお友達・ラングレーの腹のくくり具合も最高。めちゃくちゃかっこいいシーンなのにバシュラールにかかれば……で同情を禁じ得ません。唯一の常識人かと思っていた彼ですが、バシュラールの前ではすっかりびっくりどっきり超人です。

オペラシリーズがどんな結末を迎えるのか、非常に楽しみです。

imgオペラ・グローリア 讃えよ神なき栄光を
栗原ちひろ/THORES柴本(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2007.09)
ISBN:978-4-04-451406-8
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