プリンセスハーツ~恋とお忍びは王族のたしなみの巻~ / 高殿円

本の感想, 作者名 た行高殿円

十年に一度の賭博祭を迎え、活気にわくアンジュンセンの公都パールエム。賭博祭では自分の正体を隠すために仮面をかぶり、扮装を行い賭に興じるという風習がある。正体を隠せるということを利用して街に出て、なんとしてもトーナメントに参加しようとする大公のルシードと、生き別れになった姉妹の手がかりを掴もうとするルシードの「偽装」妻ジル。そして、時を同じくして北の大国オズマニアから一筋縄ではいかない王太子が大使としてパールエムにやってきた。


仮面夫婦物語第4巻。新章開幕、ということで、パルメニアを併呑するために「国」としての実力をつけたいアンジュセンと、最近めっきり目立たなくなってきたためにアンジュセンをとりあえずいじめてやろうとするオズマニアの戦いの前哨戦の開始です。

今回はジルとルシードは別行動でそれぞれ秘密に「お忍び」を敢行。ジルの探す姉妹の手がかり、そしてルシードが出会ったトーナメントの相棒ホーリーヒースの男前っぷりといったら。もうこのすごいすれ違いっぷりというかニアミスぶりに読んでて身もだしてしまいますが、無事再会することはできるのでしょうか?

一方のオズマニアからの「刺客」のオース王子。序盤の親子の会話が高殿さんだなぁ面白いなぁと思いながらも、十三歳にしてなかなかのやり手でジルをも唸らせています。現時点では、ジルvsオース王子なので、ここにルシードが絡むとどうなるか。きっと野生の勘で巻き返しを図ってくれそうですが……それよりまずこのアンジュセンのピンチにジルとルシードが合流できるかどうかが一番の問題で。

というところで話が切れているので、是非ともさっさと続きを読みたいです。続きカモーン!と思いながら、きっとこれは懐かしいあの人たちに違いない!というゲストキャラがちょろっと登場したのでそそくさと昔の作品を引っ張り出す。どういう経緯でああなったのか気になるなぁ復活しないかなぁ……。

imgプリンセスハーツ~恋とお忍びは王族のたしなみの巻~
高殿円/明咲トウル
小学館ルルル文庫(2009.02)
ISBN:978-4-09-452101-6
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