お狐サマの挑戦状ッ! / かたやま和華

本の感想, 作者名 か行かたやま和華

蹴鞠大会開催中に突如発生した風穴に飲み込まれた桐緒と紗那王だが、清翔王が助け出せたのは紗那王のみで、桐緒はどこかに飛ばされてしまう。桐緒の行方を必死に捜す紗那王たち。当の桐緒は記憶を失い、桐緒たちと因縁のある妖狐・鈴蜜に保護されていた。そして、鈴蜜の案内で桐緒の「大切な人」と再会することとなるのだが……


お狐サマ第8巻は記憶喪失ネタでした。桐緒は記憶をなくしても桐緒です。しかし、いろんな事を知らないが故の「全て食べ物に結びつける」はさすがだなぁ……。

そして今回はいつも裏でこそこそとしていた藤真さまと紗那王のガチンコ勝負の前哨戦かな。一巻以来ほとんど出番がなかった藤真サイドの心境が語られていて、桐緒に執着する理由やらなにやらがようやく明らかに。藤真は純真すぎて道を外してしまったんだなぁ、となにやら切ない物を感じてしまいました。

一方の紗那王。桐緒との「赤い糸」を信じて(焦ってるわりには)泰然としてますが、もっと藤真とはりあわないとーと外野で無責任にヤジを飛ばしたくなりました。桐緒の安否が分かるまでの取り乱しっぷりや、桐緒がいないところでの(むしろ、いないからこそ?)の色気発言やらに少々ニヤリとしてしまいましたがしかし。

毎回「三歩進んで二歩下がる」展開でしたが、今回は五歩くらい下がる勢いだったので次の展開に期待。記憶喪失ネタからまた振り出しに戻りまくってやり直しとかは嫌だなぁ、もうそろそろ何らかの決着つけるぞ展開にいってほしいなぁとちょっと思ったりもしますが……。
今回はお話が完結しなかったので、次回以降の紗那王と藤真の動きに注目です。その他にも、鈴蜜や紗那王に執着するかの女性の動向もきになるところかな。

お狐サマの挑戦状ッ!
かたやま和華/風都ノリ
B’s-LOG文庫(2009.02)
ISBN:978-4-7577-4713-5
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