ブランデージの魔法の城 魔王子様の嫁取りの話 / 橘香いくの

本の感想, 作者名 た行橘香いくの

宿屋の長女でしっかり者で常識人のアドリアエンヌはある朝目が覚めると見知らぬ豪華なベットの上にいた。そして彼女の目の前には、一般人の常識でははかれない魔術師ドナティアン・シャルル。跡継ぎを得るために「自分の息子の母親」を欲したドナティアン・シャルルによってさらわれてきたらしいアドリエンヌは、何とか家に帰ろうと四苦八苦するが……

元・王子様の魔術師の嫁取り物語。とりあえずゴロゴロしました。

橘香さんの初ファンタジーだそうで……、そういわれてみれば、魔法モノって無かったんだ……。ひとシリーズくらいあるかと思ってた。 [1]たぶん考えたときに同じコバルト作家のH氏とごっちゃになってます

強力な力を持つ故に父王から勘当された元王子様のドナティアン・シャルル。人との本気のふれあいがとても少なかったために人との付き合いや人の心の機微を知らず、さらってきたアドリエンヌと交流する内に、彼女の予想外の行動に驚かされつつも人を愛することを知る……となんとも変なヒーローと「普通が取り柄」のヒロインとの「さらいさらわれることから始まる」ラブストーリーがとてもツボでした。久しぶりに文中でフォントが変わる本を読みましたが、なんだか違和感を感じることなく普通に楽しめたのも良かったなぁ。アドリエンヌの心の叫びがとても面白かった。そして策士なカラス殿や破天荒な弟妹たちのしたたかさも、アドリエンヌの苦労が忍ばれて面白かったです。

コバルト本誌掲載分+書き下ろしの二話収録で、どちらもきれいに終わっててよかったーっと思っていたら、何ら続編が12月にでると。これは要チェックです。……そして感想溜めてるうちに続編が出たという罠。

imgブランデージの魔法の城 魔王子様の嫁取りの話
橘香いくの/石川沙絵
集英社コバルト文庫
ISBN:978-4-08-601299-7
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References

1 たぶん考えたときに同じコバルト作家のH氏とごっちゃになってます