半魂香―まどろみの巫女と<守護者>―下 / 響野夏菜

本の感想, 作者名 は行響野夏菜

冬場の道案内の仕事を無事終わらし、春の出立前にオアシスに戻ったサシャたち。道案内途中に出会った女性を助けるために、半魂の術で彼女の夫を捜し出し、春の出発までに彼女を連れ出す機会をうかがうが……

(個人的に)あっと驚きの展開でした。バカップルと思っててごめんな(略)。

草原を舞台にした巫女とその守護者のじれじれ物語後半戦。じれじれというかもうバカップル過ぎてお腹いっぱいよ!と上巻に引き続き思ってたら、あなた。前巻まかれたアレ(すっかり忘れていた)がこうなってそうなってああなるとか!いやーびっくりびっくり。少女小説ではこりゃないな、と思う展開でびっくり。
いろいろありましたが、何とかうまく収まって(しかも幸せそうで)良かったですね。ここらへん、現代日本の感覚と草原の感覚とでだいぶ違うのだろうけど……サシャは器が大きいなぁ。

とびっくり展開以外にも、上巻でまかれた種が終盤でも発芽して、そういえばそんな話あったな、といろいろまかれてたんだなぁと感心しながら読んでました。決して全て丸く収まったわけじゃなくて、ちょっとぴりりと厳しいところもあって、でも読了感はそんなに悪くなくて。とかいいながら、イリザの皇子様関係は全く決着着いていないので続きはないのかしら!と思わずにいられない終わり方でした。これは、サシャ側はもしかしたら、とかなんとか思いつつ、続きがでないものかと期待しています。

img半魂香―まどろみの巫女と<守護者>―上
響野夏菜/山下ナナオ
幻狼Fantasia Novels(2011.05)
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