桜嵐恋絵巻~半分の秘めごと~ / 深山くのえ

本の感想, 作者名 ま行深山くのえ

雅遠の次の試練は、母親からの結婚相手の斡旋。詞子以外と結婚する気など全くない雅遠だが、かなりのスピードで結婚相手をお膳立てされてしまう。ちょうどその頃、内裏にあやしいながらも美貌の僧が出入りし、後宮の話題をさらっていると聞き、雅遠は不穏なものを感じる。

これは妹君デレフラグ!

シリーズ第4巻。主人公ふたりは(障害がたくさんあるものの)ある意味熟年夫婦の域に達している安定した熱々っぷりを披露してくださるので、このあたりは予想通り楽しめるんですが、今回は詞子の妹・艶子姫が……ついに、デレる前兆を!と変なところに反応してしまいました。いやこれは絶対デレるだろう。デレなかったら詐欺。デレるといえば、雅遠の嫌みな弟君も順調にデレロード進んでますよね、これ絶対。中のいい兄弟(妹)が大好物ですが、デレてくるのも大好物です。どうなるのかな!

と、妹弟への熱い期待はおいておくとして、雅遠の出世物語第二章もなかなか順調に進んで参りました。なんのかんので人当たりが良くてやればできる子、そして目標は大きく!の雅遠が、やる気なさそうで実はかなりがんばっている様子は読んでいて楽しいです。夢のマイホームまであとちょっとです。
今回の騒動の中心の怪しい僧関係については、ちょっと肩すかしというかもうちょっとがっつり行ってくれても良かったのに!というのがあるんですが(平安時代で美僧と聞いたら吉野の君を連想しちゃって……)、なんというか、まあ今回のもコレはコレでありかな、と。消化不良感は残りましたがメインテーマじゃないので問題ないと思います。

img桜嵐恋絵巻~半分の秘めごと~
深山くのえ/藤間麗
小学館ルルル文庫(2009.10)
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