侯爵令嬢の持参金~愛の誓いは妖精の森で~ / 渡海奈穂
結婚に備えシックスの屋敷で一緒に暮らすことにしたマリーシアは幸せな日々を送っていたが、ある日シックスが「しばらく屋敷をあける」と言って出て行って以来帰ってこなくなる。シックスの行方を捜し妖精界に向かったマリーシアは、そこでシックスそっくりな「もう一人のシックス」に出会う。しかも、このシックスが「本当のシックス」らしいということでマリーシアは混乱して……
持参金、それか!
妖精に憑かれたキャンブレンシス家に嫁ぐことになったお嬢さんの奮闘物語二冊目にして完結編。前後篇とは書いていませんが、実質は後篇だったの、前巻で「あれはなんなんだろうな」と思ったところがすっきりさわやかに解決されていてなるほど!と思いました。
なるほど!なのはまずはシックスの「正体」。変な言い方する人だなぁと思っていたらなるほど、そんな裏があったとは。考えてもいなかったので、もう一人の「シックス」が出てきたあたりからすごくわくわくしてしまいました。もう一つのなるほど、は、タイトルの「持参金」。シックスの「趣味」が説得力がありつつおかしな感じなのですが、それをうまくからめていいお話でした(笑)。
サブタイトルの愛の誓いのあたりもにやにやと笑いを噛みしめながら読み、そしておまけの後の小話の甘さにもにやにやし最後まで楽しめた良い物語でした。じい様最強伝説。