聖鐘の乙女 飛べない夜鳴鳥と終焉の鐘 / 本宮ことは

本の感想, 作者名 ま行本宮ことは

サリアンをめぐる陰謀から身を守るため、療養するネイトに付き添い学院を退学したアティーシャは、サリアンの館でネイトを看病しつつ貴婦人教育を受けていた。そんな中、学院に残ったサリアンが王の崩御に伴い王宮に呼び出され、連絡がつかなくなる。学院の生徒が王宮に行くことを知ったアティーシャは、ジェッツとともに生徒として王宮に行くことを決意するが……

ね、ネイトさんったら!

シリーズ13巻目、クライマックスがだいぶ近いのかな?という一冊。王宮での王位継承をめぐるきな臭いお話の始まりと、ネイトさんの「ここだけの本音」と、ネイトさんターンの刺激が強すぎて、読了後そういえばこの人にも見せ場があった!と思い返してみて思い出したジェッツ先輩の大告白と、いろいろと進展がありましたねー!少女小説的に。今回、少女小説的に非常に美味しい展開の数々に私はお腹いっぱいです……いいぞ、もっと、やれ……。
もちろん、乙女モードのアティーシャのあれこれも非常に美味しかったです。私が幸せにしてやるんだ!というあの宣言は、アティーシャらしくとてもよいものでした。やっぱり元気な女の子はいいものだなぁ。そして、雰囲気をぶち壊すアティーシャのすっとぼけもいいものだなぁ……。

と、少女小説的進展に比べて、話の本筋の進展は今回は次回への布石が殆どで、あんまり進んでおりません。が、今回のあれこれを考えると一気に話が動きそうだなぁ、といろいろと楽しみです。

聖鐘の乙女 飛べない夜鳴鳥と終焉の鐘
本宮ことは/明咲トウル
一迅社アイリス文庫(2013.07)
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