にせもの公主の後宮事情 再会は絆を試すものです? / 雨川恵
天黎との結婚を控え、淑蓉のもとに各方面から祝いのための訪問客が次々とやってくる。そんな中で、都で一二を争う商家・陶家から祝いの品として淑蓉好みの書物が届けられる。天黎は淑蓉にこの贈り物を受け取ることを許さず、また、陶家ともかかわることを禁じる。
お、お兄ちゃんが……(お兄ちゃんもの認定いたします)。
天黎がおじいちゃんの「おせっかい」に振り回されるお話。淑蓉をこの件に関わらせないようにしようとする天黎に、天黎のためにと動く淑蓉と、すれ違いつつもお互いのことを考えてそれぞれが動くというこの展開が、王道ながらも胸キュンなストーリー展開でした。
ふたりのアレコレはもちろん楽しかったのですが、やっぱり特筆すべきは天黎のお兄ちゃん・士傑太子ですよねー。士傑おにいちゃん、なんていいお兄ちゃんなのでしょうか。天黎もお兄ちゃんの事好きで、士傑は士傑で弟(とその嫁)のことが好きで、なんというか、これはよい兄弟もの……。弟に内緒で義妹(予定)と画策の上、事に対処、そしてそのあとのはからいも器の大きさを感じさせてこれはいい皇帝になるんだろうなぁというところがこれまた素敵でした。
そしてきれいに終わっているようでこれまた続きが出るそうなので、楽しみにしております。
にせもの公主の後宮事情 再会は絆を試すものです?
雨川恵/すがわら竜
一迅社文庫アイリス(2013.11)
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