銀の竜騎士団 ウサギと七竜の天空の祝宴 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

大珂国の斎宮の「長子」として大珂の宮殿に乗り込んだスメラギは、皇帝の子として認められることは保留となり、命を狙われる日々を過ごしていた。そこにローレンシアの大使としてシリス、斎宮の第二子としてアズィール、そして身分を隠してルーシェが大珂にやってくる。なかなか前に進まない状況に、スメラギは黄龍の託宣を受けることを決意する。

だいぶ駆け足の最終巻、でちょっと残念かな。

シリーズは本編11冊目で最終巻の銀の竜騎士団。ビーンズ文庫の通例として「大珂国編」が数冊あって完結と思いきや、いきなり完結でちょっとびっくりの一冊でした。竜と龍の秘密や、それぞれの国と竜(龍)の関係などが一気に明かされて、そしてルーシェとスメラギさんはそれぞれの遠い国で跡継ぎだけどどうするの!というところも終わりよければ全て良しの落ち着き方をして、謎はだいたい明かされたのとハッピーエンドなのとで良い最終巻だったとは思うのですが、思うのですが、いかんせん駆け足すぎた!ここの所このシリーズに感じていた青臭さはもちろんあったものの、でもそのあたり感じ取る前に終わっちゃったので、なんかいろいろともったいないなぁと思いました。もったいないなぁといえば、前々巻位から急に美味しいポジションに来た弟くん(アズィールさん)も、もったいない!せっかく新キャラ(切れ者メガネ)も出てきたのにもったいない!という顛末だったように思いました。

といろいろと「もったいない」と思うところはあれど、なんか最後は綺麗にまとまったしなんのかんのと楽しかったのでまた新作に期待したいと思います。

銀の竜騎士団 ウサギと七竜の天空の祝宴
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2014.05)
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