魂織姫 運命を紡ぐ娘 / 本宮ことは
繊維産業で成り立つ白国では、蚕から糸を紡ぐための「紡ぎ女」を農村から集め、製糸場を成り立たせていた。製糸場での労働は過酷だが、技能によっては一攫千金も夢ではない。家族を養うためにと製糸場へ働きに出ていた水華は、ある日製糸場を訪れた「高貴なる人」の目に止まってしまい、人生が変わる。
頑張る女の子の中華風ファンタジー、面白かったです。
どんな話かあまり把握しないまま読んでおりましたが、「農村の女の子が製糸場に集められて、過酷な労働に耐える女工哀史」が前半で、中盤からは製糸場にに突然現れた超えらい人にスカウトされたヒロイン・水華が神職である「織姫」として宮中に行くお話。
確かに硬派で、わりと地味で(特に前半。女工哀史はつらい。でも面白い)、物語がなかなか動かないんですが、動き出したら一気に話が進んで面白かったです。友人の死の真相や、事件の真相を探ろうとする青年、宮中での政争などのつながりの端緒は少し語られただけですが、今後一気にそのあたりが明かされるであろう続刊が愉しみなお話でした。
そして、超偉いあの人は、最初の印象が尊大すぎて悪役かしら……?それともただのツンデレ(語弊がある)と悩みましたが、私の少女小説脳は伊達じゃなかった。大体あってた。楽しかった。終盤の水華の心情の移り変わりとか素晴らしいものでした。少女小説はよいものです。
ということで、続きもすごく楽しみなので楽しみにしています。
魂織姫 運命を紡ぐ娘
本宮ことは/くまの柚子
講談社X文庫ホワイトハート(2015.10)
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