シンデレラ伯爵家の靴箱館7 乙女は新たな靴を履く / 仲村つばき

本の感想, 作者名 な行仲村つばき

エデルとの結婚を両親に表明したアランだが、案の定父親からの承諾はもらえなかった。アランの母親の提案で、エデルはアランと離れてルディアとともに魔法の靴が絡んでいる可能性のある乙女たちの秘密の会合に出席し、事件性の有無を確認することになる。

アランさんって最後まで、あれ。

シンデレラ伯爵の最終巻は、もうこれしかないですよねーという大団円でとても良いものでした。
いわゆる悪役とのアレコレは前巻で決着がついているので、もう今回は「アランさんがエデルをどうやって嫁にするか」ということに焦点が置かれており、どれだけアランさん暴走するんだ……とある意味楽しみにしていたんですが、結構な割合で別行動で、え、そんな……と若干意気消沈してしまいましたが、そんな中でも安心と安定のヒロインぶりを発揮していたアランさんさすがでした。アランさんの未来ノート、なんかすごいですね(一応ほめてます)。
ゲストキャラの事情については、どう落ち着けても辛い展開になるかなぁと思っていましたが、あまり悲壮感もただようことなく、強かさも感じつつの締めでしたが、わたくし、ゲストキャラの恋模様よりも「げんきょうはおまえかー!」というアランの指南書のあれこれが、面白かったです。実践してそれか!というツッコミを繰り出さなかったのは大人の対応だなぁ、と(笑)。

工房の面々のあたたかさや、アランの空回りや、恋するエデルのかわいさや、アランの両親の曲者ぶりや、いろんな要素がとても素敵な少女小説で無事完結して良かったです。

シンデレラ伯爵家の靴箱館7 乙女は新たな靴を履く
仲村つばき/あき
ビーズログ文庫(2016.04)
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