男装王女の華麗なる輿入れ / 朝前みちる

本の感想, 作者名 あ行朝前みちる

異能の王族が守り、治める国・アルビレオ星王国で能力を持たない王女リュカリスは、剣技を磨き国でも有数の騎士になった。ある日、母である女王から冷戦状態にある隣国ヴィッセン帝国のアルトゥール皇子に嫁ぐよう命じられたリュカリスは、アルビレオを訪問するアルトゥールを全力でもてなすが、アルトゥールの反応はぞんざいなものだった。

脳筋王女様の勢いの良さが面白かったです。

異能力がないのなら腕力を鍛えればいいのよ、と国でも一・二を争う実力を持つ騎士となった男装の麗人の王女様(純真ワンコ系)と、厭世観漂う発明家の皇子様のどこかずれてる王女様お輿入れ物語、なんですけどお輿入れにはたどり着きませんでした。
リュカリスに全力でもてなされる、振り回されるアルトゥールが楽しかったんですが、ここでお約束といえばお約束の勘違いが(アルトゥールに)生じており、この人いつ気付くのかな、いやでも物語的には最後まで気付かないだろうなぁというニヤニヤ感が良いものでした。少女小説の醍醐味。世の中を斜に構えてみてる男の人が、純真な子にほだされてころっといっちゃうのはよいものです。

リュカリスの過保護なお兄ちゃんの反応は面白かったし、リュカリスに冷たいという登場していないお兄ちゃんもたぶんリュカリスのこと好きすぎるがゆえの冷たい態度だと見込んでおりますの、登場していないお兄ちゃんもそのうちでてこないかなと続きが出ないかなぁと楽しみにしてます。まだ輿入れしてないもん。

男装王女の華麗なる輿入れ
朝前みちる/椎名咲月
ビーズログ文庫(2017.01)
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