令嬢エリザベスの華麗なる身代わり生活2 / 江本マシメサ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行江本マシメサ

当初の身代わり目的は達成したものの、真相を突き止めるまでは身代わりを続けることを決めたエリザベス(リリー)は、シルヴェスターと共同戦線をしくことになる。エリザベス(本物)をおびき寄せるために、シルヴェスター扮する謎の恋人との噂をばらまくエリザベス(リリー)に、婚約者のユーインが婚約破棄を伝えてきて……

ユーイン、いいやつ……

シルヴェスタールートのシリーズ2冊目(3冊完結、カクヨム版準拠)、もうひとりのヒーロー・ユーインルートは小説家になろう版で読めるという考えようによっては一粒で二度美味しい身代わり令嬢モノ。1巻に引き続き、身代わり令嬢エリザベスのかっこよさと可愛さが良いものでした……。

今回は諸悪の根源(というのも少し可哀想な気がしなくもない)のエリザベス(本物)とエリザベス(リリー)との直接対決がついになされますが、本物さんの歪み具合が天井突き抜けていてすごいなぁ……、と。そうならざるを得なかった環境もあるかもしれないけど、でも、逃げるよな普通……と思わずシルヴェスターがんばれ、頑張って逃げ切って……と祈りたい気分になるような本物さんでした。本物さんの強烈な歪み具合と並ぶと、もうエリザベス(リリー)がかわいらしすぎる。

シルヴェスタールートのお話なので、ユーインさんは頼れる友達ポジション的なところに収まってしまって至極残念ではあるのですが、そこでもユーインさんがいい仕事するのでこれも辛い(当て馬だけどまだまだチャンスはあるよと思わせるようないい立ち位置なんだけどでも本筋ではないもどかしさ)。別ルートで報われるとはいえ、ここでのユーインさんもめちゃいいい人だからなぁ。ダブルヒーローものは(読んでいて楽しいんだけど)こういう点が辛い。

書籍版読んでしまったらなろう版も読まねば(というようなことは1巻の感想にも書いた)。

令嬢エリザベスの華麗なる身代わり生活2
江本マシメサ/雲屋ゆきお
ビーズログ文庫(2018.03)
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