どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。2 / 六つ花えいこ

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行六つ花えいこ

惚れ薬の騒動から憧れのハリージュとようやく両想いになった(らしい)ロゼは、ハリージュの屋敷に婚約者として迎え入れられることとなる。人の理から外れているロゼにとって人の制度である「結婚」の意義を徐々に理解し、ハリージュとともに準備をすすめていく。そんな中、ロゼがハリージュの屋敷から通うことになったの庵のある森に魔女の大ファンと自称するずれた少女が現れる。

引き続きロゼが可愛かったし、何ならハリージュも可愛かった!ロゼは時々めちゃくちゃな発言してるけど(それがいい)

両想いになっているはずなのにそれぞれどこかずれている魔女と騎士の物語の2巻。結婚の準備を進めていく中で、ロゼが人の世界の理を理解し、ロゼなりに(ゆっくり)対応していく姿が良かったです。ハリージュさんもロゼに合わせて(理性を総動員して)見守りモードに入っているのも今回のポイント。要所要所でグイグイいっていて若干見守りきれてなかったですが(笑)。今回の一番の悶絶ポイントは嘘がつけないがゆえにロゼの初恋が当人にバレたあのシーンですかね……しかも魔女の特性と物語の展開上当の本人のみがロゼの発言の意味を理解するというこの背景知っていれば悶絶度は10倍。

人と魔女の異文化コミュニケーションというか、常識(理)の差を少しずつ丁寧に埋めていく展開が好きだなぁと思いながら読んでいました。ハリージュさんはロゼのあれこれに「差を埋める」というより「好きな人」だからそのまま受け止める、というようなスタンスでこれはこれでさすがだなぁ、という懐の大きさがすごい(本人も言ってるように愛のなせる技)。ロゼはロゼでいろいろとぐるぐるしてしまうところはあるんですが、この悩み具合は可愛いし(ハリージュ以外からすると表情一つ変えずに淡々としているように見えて内心は混乱の極みに達しているところとか)、最終的にはいいところで折り合いつけてかっこよく(!)決めていたのでよかったです。

魔女をめぐる周囲の環境は結構殺伐としているような世界ですが(本書ではそこまできつい表現はないですが)、ロゼもハリージュも魅力的で、周囲の人間に恵まれていて(愛すべきポンコツ王子様が良い)、優しい物語(そしてラブコメ)で良いものでした。楽しかった~。

どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。2
六つ花えいこ/Vient
Mノベルスf(2020.03)
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