お飾り王妃になったので、こっそり働きに出ることにしました~うさぎと一緒に偽聖女を成敗します!?~ / 富樫聖夜
(表面上は)大きな事件前の一休みの事件でした。
表では「徐々に距離が縮まってきた鉄面被の王様(ジークハルト)とお飾りの王妃様(ロイスリーネ)」が城下では「なんかいい感じの食堂の常連客(カイン)と食堂の看板娘(リーネ)」になってる(周囲もこの二重生活は把握済み)の二人のお話、3冊目。特殊な力であるギフトを持たないとされていたリーネが実はギフトを持っている、ということに本人が気付いた前の話から、そのギフトの詳細を周囲が徐々に確認していく過程を今回含んではいつものの推測の域をまだ出ていないので事情を知っているリーネの母国に問い合わせたら、想像以上に(説明が)大事になりそうな予感……というところで次回に続いてるんですがこれは早く次回(刊行済み)を読まねばならない。
今回の嫌な感じの神殿長と嫌な感じの聖女は、登場の段階から何やら小物感というか、やっていることの小ささというか、いやな感じの聖女のざるさというかがあって、主役の二人の仲を進めるのにちょうどいい刺激になるくらいが関の山か!と思っていたら、確かにそのような立ち位置の悪役で、ある意味心配せずに、あまりストレスなく読めました。裏ではいろいろ大変なことにはなってはいたんですが。
表では毎回毎回ハラハラするのもいいんだけど、今回のようにある意味安心して「一進二退」くらいの主役カップルの仲の糧になるであろう、なった!やった!という展開はいいものでした。愛でられるうさぎは相変わらずかわいかったし。あそこまでリーネに溺愛されてるのを読んでいると、真実をリーネが知ったときどうなるのかなぁとこっちの方面での楽しみも増えていきます。
お飾り王妃になったので、こっそり働きに出ることにしました~うさぎと一緒に偽聖女を成敗します!?~
富樫聖夜/まち
ビーズログ文庫(2021/6)
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