マリエル・クララックの春鈴 / 桃春花

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行桃春花

亡くなった王弟アンブール公の妃の相談に乗るために国境近くの地方都市である王領を訪れる王太子セヴランに同行することになったマリエルとシメオン、そしてジュリエンヌ。セヴランの従妹でもあるアンナ公女にも出迎えられ、歴史のある城に滞在する一行だが城には様々な怪談があった。アンブール公が亡くなってから謎の呼び鈴が鳴り、この呼び鈴をアンブール公からの警告だと恐れる妃は一刻も早くサン=テールに戻りたいと訴える。

総じて男性陣が女性の尻にしかれているのがよい(というお話)。

終始若干残念なセヴランと地方都市を訪問したマリエルがまたもや国際問題に巻き込まれる話。いつもながら軽い話かと思わせておいて一歩間違えば大問題になりそうな話なのは、うまい作りだなぁと感心してしまいました。ちょこっときな臭い国内のお話だと思っていたらあれよあれよという間に結構な大事件発生で、そこからもなかなか大きなところに着地しての爽快感がよかった!女は関係がないと言われて女の政治力の片りんを見せつけ相手を黙らせてしまうマリエルがなんともまあ気持ちの良い強さでよかったです。

マリエルとシメオンが安定の(バ)カップルなのは明らかなのでまあいいとして、若干残念なセヴラン様が折に触れて実はかっこよくてジュリエンヌも実はべたぼれというところが各所で確認できて楽しかったです。そう、セヴラン様はやればできる男……!

あと、おまけのオレリア様もよかった。オレリア様マジイケメンだな……。

マリエル・クララックの春鈴
桃春花/まろ
アイリスNEO(2022.12)
amazon/honto/BOOKWALKER