薬屋のひとりごと16 / 日向夏

本の感想, お気に入り, 作者名 は行日向夏

やんごとなき貴人の手術も無事終了し、医官たちも日常に戻ると思われたところ、今度は疱瘡の流行につながる兆しが見え始めた。治療薬がない疱瘡への対応のため、疱瘡が発生した村に派遣される医官に帯同させるべく、猫猫は知り合いの疱瘡の知識のある青年を紹介する。一方、皇太后からの依頼で、皇太后の実家で体調を崩している皇太后の姪の問題を解決するよう依頼を受けた壬氏は、猫猫とともに皇太后の実家に向かう。

相変わらず面白いですねぇ……。

15巻ほどの大問題は起きてはいないものの、今後大問題となるのかどうなのかという瀬戸際の疱瘡問題の前哨戦と、皇太后の実家のひそかなるごたごた問題が(たぶん)片付いた16巻でした。十分対問題といえば大問題が起きていたんですが、砦編とか飛蝗編とかに比べるとまあそこまででもな……と思ってしまういつの間にか超巨編の本シリーズ、変わらず面白かったです。普段ふんにゃりとしている人があっと驚く能力、知識、経験、バックボーンを持っているのが常の物語ですが、今回もさらっと過去のひどい展開が語られていたりと油断ならないなというお話でした。

猫猫と壬氏については本巻では取り立てて大きなイベントはないんですけど、きっと語られてないところになんかあった(あるな)という一方で、遅々として進まない馬閃の小さな恋のメロディは周りのおぜん立てでジェットコースター大交響曲になりそうな布石がたくさんあって、こっちもいつの間にかどうにかなってそうなのでいろいろ楽しみー。

薬屋のひとりごと16
日向夏/しのとうこ
ヒーロー文庫(2025.05)
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