空ノ鐘の響く惑星で 外伝~tea party's story~ / 渡瀬草一郎

本の感想, 作者名 や~わ行・他渡瀬草一郎

王弟フェリオの二人の子供・アスティナとリグルスの教育係を任されているシアは、朝早くから王宮を脱走した二人を追ってライナスティの家に向かった。折しも今日は、フォルナム神殿からやってくるシアの義父のムスカ司祭を囲んでのお茶会が予定されおり、二人を追うシアは思わぬ人と再会した。


空鐘本編終了後のお楽しみ短編集。その後の二人は~、とやきもきさせられたハーミットとシルヴァーナの物語、今明かされるライナスティの秘密、ヴェルナルフォンの過去、そして王と王妃の微笑ましいエピソードを軸に、幕間に十年後の大同窓会といった内容でした。
読んでいて幸せになれるようなほのぼのとするお話の数々が良かったです。至る所でみんならぶらぶでやんの(注:こういうの大好きです)。空鐘の正ヒロインはソフィア王妃だね、と思わずにはいられない気合いの入り方がすばらしかったです。ハーミットさんの所は言うに及ばず、ライナスティも死にそうな目に遭いながらも幸せそうでいいですねぇ。そして某かぼちゃさん。おいしいところをかっさらっていった上に妙なところで存在感のある人です。この人メインの話も読みたかったけれども、これくらいのポジションがかぼちゃさんらしいなぁと。
そんな短編の中、ベルナルフォン物語だけは異彩を放っていました。最後まで読むと、これはシリーズ一の悲劇ではないかと思ってしまうほどで……。ベルナルフォンは空鐘一いい男かもです。

これを読むとまた本編を読み返したくなってきました。困ったものです。

img空ノ鐘の響く惑星で 外伝~tea party’s story~
渡瀬草一郎/岩崎美奈子(イラスト)
ISBN : 978-4-8402-3914-1
電撃文庫
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