アネットと秘密の指輪 お嬢様と偽りの婚約者 / 雨川恵
領地でのんびりとした日々を送っていたアネットの元に、シャーリーが約束通り遊びにやってくる。そして、シャーリー(の兄のウィリアム)のもたらしたユージンの手紙から、リチャードは単身ロンドンに戻ることになる。リチャードと離ればなれになることに寂しさを感じるアネットだが、しばらくしてロンドンよりアネットを連行するという一団が領地を訪れる。
最後の最後にどっかんきました。
アネットのクライマックス直前巻。のほほんとしたアネットとリチャード(お互いに想いあってるのに気持ちが通じてないとかなにこのじれったさ)に身もだえしていたら、ユージンの手紙一枚で不穏な空気に。そしてそのまま自身が関与したある事件に関する調査を受けるためロンドンに戻ったアネットと、彼女を助けようとするユージンの委員会での息詰まる攻防、そして最後は……となんともまあ手に汗握る展開。最後の最後のあの爆弾発言、さいごの一行なんですよ。ここだけページが変わってるんですよ、これは絶対計算の上だね!ととても感心しました。
アネットとリチャード、そしてユージンのやりとりに悶えるのは鉄板ですので置いておくとして、今回初登場のローズウォール公爵家の長男が素敵だ。妹で遊ぶとかいいお兄ちゃんだ。お兄ちゃんズキー的にこのお兄ちゃんは外せない……。残り少しなんですが、なんやかんやと弟を助けたりしないのですか、お兄ちゃん!
ということで最終巻も楽しみです。