王妃の剣 騎士の誓いと公爵家の秘密 / 佐槻奏多

本の感想, 作者名 さ行佐槻奏多

諸事情で並の男性陣よりも剣が使えてしまう男爵令嬢リーヴェは、結婚という言葉に騙されて王妃付きの女官になってしまう。王妃と愛妾が水面下で激しい攻防を繰り広げられている宮殿で、王妃の有力な後見人であるの公爵の病の原因をさぐるため、先輩女官と一緒に公爵家を訪問することになる。

元気な女の子と何を考えているのよくわからない騎士殿……なかなかの組み合わせ

アイリス文庫の新人さんかな?と思って買ってみたんですが、オンライン小説の書籍化とのこと。仕えていたお嬢様のために剣を取り始めたのはいいものの、妙に強くなってしまい噂だけが独り歩きしたため結婚を半分諦めている男爵令嬢リーヴェと、凄腕の王妃様の親衛隊のなんだかよくわからない騎士殿セアンが陰謀に立ち向かうお話(大筋では間違っていない)。

個人的にはリーヴェの先輩女官のアマリエさんの男前っぷりというか、芯の通ったお嬢様っぷりが好きです。ひどい仕打ち(ある意味)を受けたのに、セアンのことをまだ思い続けている様子が……、いいお嬢様だ!それでいて、リーヴェとセアンの急接近にも複雑な心境ながらも見守る様子もあって、いいお嬢様だ。

しかしながら、リーヴェの考え方と言うか、立ち位置というかがなんだか若干むむむと思ってしまう所があって(男勝りの剣術を使えるお嬢さんに私が求めているものとちょっと違った…)、その他にも幾つかひっかかるポイントがあって中盤まではなかなか乗りきれなかったかなぁ……ここらへんは読み手側個々人の問題としか言えないのでなんとも。しかし、クライマックス周辺はどう決着つけるのかな、と結構楽しめました。それはありか!(お仕置き)と思ったことも事実ですが(良い意味でのツッコミ)。
webで続きといいますか、第二部が公開されているようなのでちょっと読んでみようかな。

img王妃の剣 騎士の誓いと公爵家の秘密
佐槻奏多/Ciel
一迅社アイリス文庫(2012.01)
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